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SS教室新着情報&ブログ 教育のこと: 2019年1月アーカイブ

子どもが自立して学習するようになる勉強法~普段から読書をする子と読書をしない子~

●普段から読書をする子と読書をしない子
 
面談などで、「うちの子どもは本を読まない」とか「本を読まないので読解力がない」など読書と国語の力(特に読解力)の関係を指摘されます。国語が苦手だというと「本を読め」と言われた経験がある方も多いのではないでしょうか?

 
さて、それでは読書と学力にはどんな関係が見られるでしょうか。
文部科学省が行なっている全国学力調査を元に静岡大学が分析した報告書で「読書好きと成績は相関関係があるけれど、長時間の読書と成績には相関関係は見られない」と発表されました。この報告によると「教科の学力と読書好きの傾向には相関関係がある」また、「長時間読書をする子どもには、低学力層が一定数いる」と言っています。読書好きな高学力の子どもは、じっと長い時間読書をしているイメージがあるのですが、実はそうではないようです。この報告書では「低学力で平日長時間(2時間以上)読書をする層は他のことにも長時間使う傾向がある」ということも指摘しています。「睡眠時間、テレビなどの視聴、ゲームやインターネットの時間」などいずれも他の学力層よりも高くなっていて、「低学力で読書を長時間する層は、他の活動にも時間を多く使っている」ということがわかります。つまり、低学力層の子どもは読書もテレビもゲームやインターネットも睡眠もだらだらと無計画におこなっているのではないでしょうか。
学力アップを目指すためには「読書をしよう」よりも「計画的に時間を過ごそう」ということを意識したほうが良いのではないかと思います。


また、この静岡大学の報告では「勉強時間の長さにかかわらず、ある程度の読書をしたほうが教科の学力は高い。学校司書のいる学校では図書館の利用頻度が教科の学力と関連している。読書活動が直接教科の学力に与える影響は小さい。読書活動は、学習活動に影響し、それが間接的に学力にも影響する。」ということも報告されています。

 
「勉強が好きだ」とか「学校の成績が良い」子どもは「読書も好き」だという図式については多くの人がイメージできることだと思います。『学力の経済学』の中で中室牧子さんは「親の年収や学歴が低くても学力が高い児童の特徴は、家庭で読書をしていること」だという文部科学省の「全国学力調査」の結果に対して「学力と読書には関係があるのだから、子供に読書をさせよう」というふうに考えるのは正しくないと言っています。それは、「読書をしているから学力がある」のか「学力があるから読書をしているのか」、どちらが原因でどちらが結果かがわからないからです。つまり、読書と学力の関係には相関関係はあるが、因果関係は不明であるということです。

 
私たちの経験から考えると「読書が好きな生徒(日常的に本を読む生徒)」には、解いた問題に対して教科書や解答解説をきちんと読んで解き直しをする勉強法を勧めます。コツコツと読んで理解するという習慣がついているので、たくさん解くより丁寧に解く方が向いているタイプだからです。逆に「読書が苦手な生徒(日常的にあまり本を読まない生徒)」には、先生の解説をしっかり書きとめることと、類題のパターン演習を繰り返し行うことを勧めます。読んで理解することより経験を積むことで問題を克服することが得意なタイプだからです。
読書が好きな子どもとそうでない子どもそれぞれに向き不向きの勉強法があります。学力アップを目指すためには「自分に合った勉強法」を見つけることが一番だと思います。


読書は人の考えに深く触れたり、虚構の世界に入って行ったり、疑似体験をしたりととても楽しいものです。学力アップのためとか集中力・今期を養うためといった目的で読書をすることは読書を面白くないものに変えてしまうだけなのでお勧めしません。


 
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